皆さんは「追いかける」「追いつく」「追い越す」という一連の流れを英語で言う事が出来ますか?
この一連の流れを英語で言う場合、たくさんの言い回しや単語があるのでどれを使ったら良いか迷ってしまいがちです。
そこで今回は「追いかける」「追いつく」「追い越す」に関連した言い回しや英単語を集めて、それぞれ簡単に説明していくので参考にして頂けたら幸いです。
Contents
追いかける(chase,pursue,follow.etc.)
chase
chaseは対象を「追う/追跡する/追い回す/つきまとう」という意味合いを持つ単語(動詞)です。
chase~とするだけで「~を追いかける」というニュアンスになります。
これは物理的に「~を追いかける」という場合だけでなく、例えば「夢を追いかける」という場合などにも用いる事が出来ます。
また、chaseを自動詞として用いる場合はchase after~とする事で「~の後ろを追いかける(~を後ろから追いかける)」というニュアンスになります。
ちなみにchaseという単語は捕まえる目的で「追いかける」というニュアンスも含みますので、ネイティブの方が聞くと多くの場合「警察が犯人を追いかけている」または「母親が子供を追いかけている」などと言った光景を思い浮かべるらしいです。
例文
I saw a cat chasing a rat in the kitchen this morning.
私は今朝、台所でネコがネズミを追いかけているのを見ました
I’m going to keep chasing my dream whatever happens in the future.
将来何が起ころうと私は自分の夢を追いかけ続けるつもりです
Stop chasing her anymore! she will never go around with you.
彼女を追いかけるのはもう止めろ!彼女が君と付き合う事はない
I ignored you when I passed by you this morning, that’s because I had been chased by a man.
私が今朝君を無視したのはある男に追いかけられていたからだ
You know I happened to see her at the shopping mall yesterday, and I chased her for a while to say hello but she walked into the crowd and disappeared from my sight.
そう言えば昨日彼女をショッピングモールで偶然見かけて挨拶しようと思ってしばらく追いかけたんだけど人混みに紛れて視界から消えてしまったの
come after/go after/run after
come after/go afterやrun afterとしても「追いかける」というニュアンスを出す事が出来ます。
come afterは「後ろから来る」=「追う/追いかける」、go afterは「後ろから行く」=「追いかける」、run afterは「後ろを走る」=「追う/追いかける」というようなニュアンスになります。
いずれの表現も文脈によっては訳し方やニュアンスが異なる場合もあるのでご注意ください。
例文
I’ll never forget about what you did to me, remember, I’ll come after you wherever you go.
君が僕にした事絶対に忘れないからな。覚えとけよ、君がどこに行こうと必ず追いかけるからな
Go after her now and tell her your feelings for her, it’s not too late yet.
まだ遅くはない。今すぐに彼女を追いかけろ。そして自分の気持ちを伝えるんだ。
She is always running after her children.
彼女はいつも自分の子供達の事を追いかけている
pursue
pursueは対象を「追う/追跡する/つきまとう/追い求める/追求する」という意味合いを持つ単語(動詞)です。
意味合いや使い方はchaseとよく似ていて、pursueもまた「人や物」に対して用いる事も「夢や目標、幸せ」などと言った抽象的な概念に対しても「~追いかける」という風に用いる事が出来ます。
また一方で、ネイティブの方々によるとpursueはchaseよりもフォーマルな印象を与える事が出来ると言います。
ちなみにpursueを使って人や動物などを「追う/追いかける」と言う場合は一般的に捕まえたり、仕留めたり、危害を加えたりする事が目的というニュアンスになるそうです。
なので単に「母親が子供を追いかける」などと言う場合はchaseまたはrun afterなどを用いる方が適切です。
例文
I saw a policeman pursuing the robber.
私は一人の警察官がその泥棒を追いかけているのを目撃した
Pursue your dream and happiness for the rest of your life.
生涯をかけて自分の夢と幸せを追いかけなさい
Last night, I had a horrible experience, you know I was pursued by a completely strange man when I was going back home.
昨夜家路に着く途中に全く見知らぬ男に追いかけられるという恐ろしい体験をした
follow
followは対象の「後に続く/後について行く」=「追う/追いかける」というニュアンスになります。
chaseやpursueとは少しニュアンスが違い、捕まえる事が目的で「追う/追いかける」というニュアンスは含まれません。
なので「警察が犯人を走って追いかける」などという時は多くの場合、その場で犯人を捕まえる事が目的なのでfollowは用いません。
※犯人の足跡を辿るや犯人を追跡するという意味合いの場合はfollowを用いる事も出来ますが、その場合は「追いかける」というニュアンスよりも「追う」となります。
一方で、「夢を追いかける(追い求める)」や「幸せを追いかける(追い求める)」などと言う場合はchaseやpursueと同じ意味合いで用いる事が出来ます。
ちなみに「夢を追いかける」と言う時にそれぞれchase, pursue, followを用いる場合、chaseはがむしゃらに「夢を追いかける」、pursueは堅実に「夢を追いかける」、followは自分のやりたい事や意思に従って「夢を追いかける」と言ったニュアンスになるそうです。
例文
I followed the track into the woods.
私は森へと続くその跡を追いかけた(追った)
Is it a bad thing to follow my dream?
夢を追いかける事は悪い事でしょうか?
She always likes to follow trends.
彼女はいつも流行っている物を追いかける事が好きだ
追いつく(catch up with/on)
catch up with/on~で「~に追いつく/~の遅れを取り戻す」というようなニュアンスになります。
例えば、先に出発した人に後から「追いつく」や自分よりも優れた人と「同じレベルになる=追いつく」などと言いたい場合はcatch up withを用いるのが一般的です。
一方で、最新のニュースや情報などに(を)「追いつく(知る/学ぶ)」や、仕事や学校の宿題、勉強などの「遅れを取り戻す」などと言いたい場合は一般的にcatch up onを用いるのが一般的です。
例文
Maybe, you can catch up with your father someday, but you will never be able to surpass your father as long as you just take after him.
君はいつかは自分の父親に追いつけるかもしれないが、父親の真似をしているだけじゃ追い越す事は決して出来ないだろう
※take afterで「~をお手本にして真似る」というニュアンスになります
Please go, I’ll catch up with you soon.
構わず行ってくれ。すぐに追いつくから
I’ve got to catch up on my homework tonight, so I can’t go out with you, sorry.
ごめんね、今夜は宿題をやらなきゃいけないからあなたと出かける事はできない
※この場合は「本来もっと早くに終わらせるべきだった(終わらせる事が出来たはずの)宿題を今夜やる」といったニュアンス
I’ve been taking off from school for a long time and I I feel as if I can never catch up on classes again.
もう長いこと学校を休んでいるのだが授業の遅れを二度と取り戻せないような気がする
What did I miss while I was leaving? I want to catch up on all the gossips.
私がいない間なにか面白い事あった?最新のゴシップ(うわさ話)を全部把握したいわ
追い越す(overtake,pass,outrun,surpass)
overtake
overtakeは前にいる人や車などを後ろから「追い越す/追い抜く」や、質や量などが対象を「追い越す/追い抜く」などという時に幅広く用いる事が出来る単語です。
overには「向こう側」という意味合いがあるので、イメージ的にはovertake=「向こう側を取る」=「追い越す/追い抜く」と言った感じです。
※自分の分かりやすいように解釈して下さい
ちなみに、日本語を喋れるネイティブスピーカーの方に「追い越す/追い抜くって英語で何て言うんですか?」と聞くと高確率で「overtake」と答えます。
なのでどれを使ったら良いか迷った時はovertakeを使うと良いと思います。
例文
Check your rear view mirror first when you try and overtake another car.
追い越しをしようとする時は先ずバックミラーを確認しなさい
This morning, I saw a boy overtaking his mother and running further ahead of her.
今朝私は男の子が母親を追い越して遥か前方へ走り行くのを見かけた
※ちなみにrun ahead of~だけでも「~を追い抜く(~の前を走る)」というニュアンスになります
She accelerated to overtake the bus.
彼女はバスを追い越す為に加速した
My annual income has finally overtaken my brother’s.
私の年収はついに兄貴の年収を追い越した
pass
passは「通る/通り過ぎる」という意味の単語(動詞)ですが、人や車などの横を「通り過ぎる」=「追い越す」などと言う風に訳す事も出来ます。
後述するsurpassやoutrunのように能力や力量、質や量などが対象を「上回る/超える」=「追い越す/追い抜く」というような使い方は出来ませんので注意して下さい。
例文
He passed all of the other runners.
彼は他の全ての走者を追い抜いた
The red car passed my car at a high speed.
その赤い車は私の車を高速で追い抜いていった
I caught sight of a man passing her on the bridge.
私は橋の上で男が彼女を歩いて追い越すのを目撃した
I thought a continuous yellow line in the middle of the road meant no passing.
私は道路の真ん中にある連続的に続く黄色い実線は「追い越し禁止」を意味するものだと思っていた
outrun
outrunは対象よりも「速く走る/速く動く」という意味合いの単語です。
outrunを用いても「追い越す/追い抜く」を表す事ができますが、その場合はovertakeのように人や車などを「後ろから」追い越す/追い抜くというニュアンスよりは、対象よりも「速く走って、または動いて」追い越す/追い抜くとい言ったニュアンスです。
もともとは対象よりも「速く走る/速く動く」という意味合いの単語なので、文脈によっては「対象よりも速く走る」=「逃げる」などという風に訳す場合もあります。
また、抽象的な事柄が対象よりも「先行するまたは、上回る」=「追い越す/追い抜く」などと言う風に用いる事も出来ます。
例えば、夢や目標などが自分の限界(能力)などを「超える」=「追い越す」などと言う時に用いる事も出来ます。
また、能力や力量、質や量などが対象を「上回る/超える」=「追い越す/追い抜く」というような使い方も出来ます。
ちなみにoutrunとよく似た単語でoutstripというのがあります。
ニュアンスは若干異なるのですが、訳すとほぼ同じような意味合いになります。
His abilities will soon outstrip his father’s.
彼の能力はすぐに彼の父親のを追い抜くだろう(超えるだろう)
みたいな感じで使います。
例文
Finally, demand for young people outran supply in the country.
その国ではとうとう若者の需要が供給を上回った(追い越した)
Her ambitions outrun her abilities.
彼女の野望は彼女の能力を上回っている(追い抜いている)
My motorcycle can outrun any vehicle on the road.
私のバイクはどんな乗り物よりも速く走れる(どんな乗り物も追い抜く事が出来る)
surpass
surpassはもともとは「超える/上回る」という意味の単語(動詞)ですが、文脈によっては「追い越す/追い抜く」というようなニュアンスにもなります。
しかし、overtakeやpassのように人や車などを「追い越す/追い抜く」というような場面では用いる事は出来ませんので注意して下さい。
surpassは能力や力量、質や量などが対象を「上回る/超える」=「追い越す/追い抜く」というような使い方しか出来ません。
例文
Let’s try and surpass the last year’s sales.
前年の売り上げを追い越せるように頑張ろう
I want to surpass my father on everything.
全てにおいて私は父を超えたい(追い抜きたい)
お知らせ
この記事のページを含む書籍「英語の類似表現まとめBOOK」シリーズをAmazonの公式ストアで販売中です。
いずれも全200ページ以上で、日常会話からビジネスシーンでも使える英単語や熟語表現をたくさん紹介しているので興味のある方は是非一度ご覧ください↓